Takashi HATTORI

1970年東京生まれ。2019年4月~2023年6月エルサレム在住。2017年から砂を使った作品 を作るようになり、特にエルサレムにおいてはパレスチナとイスラエルの砂を使い、地域 の平和と安定を祈りながら作品を制作してきた。現在はマーシャル諸島在住。 我々は土から生まれ土に還ると云われるように、土は生と死を包含している。土には土地の歴史の記憶が刻み込まれている。 彼は土地の土や砂が持っている力や美しさが作品に宿らせることを目指し、作品を制作している。 彼はしばしば画面を正方形や長方形に分割する。世界は美しく切れ目なく連続しているが、人間の知覚には限界がある。

彼の作品に現れる画面の分割は、人間の知覚の限界を表し、土や砂はその人間の知覚の限界を超えて存在する世界の美しさをあらわしている。

また彼の作品にしばしば登場する「迷路」は文明を暗示している。遺跡のような人工物を表すとともに、人間自身が原因となる諸問題を暗示している。諸問題は時間と共に風化していくが、また新たな問題が生まれてくる。

彼の描く水平方向の縞模様は、地層や粘土板に刻まれた古文書のように見え、歴史の蓄積や太古の囁きを暗示している。

■ 個展
2021年8月1日〜8月31日 「The memories of the soil」JCAT Gallery主催(オンライン)
2021年12月1日〜12月31日 「The soil whispers」JCAT Gallery主催(オンライン)
2022年 4月5日〜5月 4日「Castles made of sand」JCAT Gallery主催(オンライン)
2022年 9月23日「Open House Exhibition」(エルサレム)
2022年 12月17日〜2023年2月17日「Creation and Death」Beyt Naima Art(エルサレム)主催

■ グループ展
2021年3月26日〜4月4日 「GAIA–The Origin」 M.A.D.S.Art Gallery(伊ミラノ)主催 
2021年12月1日〜12月31日 「The Gift」JCAT Gallery主催(オンライン)
2022年4月1日〜4月10日 「春の小作品展」ギャラリー国立主催
2022年12月6日〜12月17日「Made in Japan」Galerie Mona Lisa主催(仏パリ)
2023年3月4日〜7月14日 「Medicine and Art」Beyt Naima Art(エルサレム)主催
2023年6月21日〜7月31日「The Gift」Al Ma’mal Foundation for Contemporary Art (エルサレム旧市街)
2023年7月11日〜15日「LOVE Exhibition」NOHO M55 Gallery (米ニューヨーク)
2024年4月 パレスチナ刺繡帯・民族衣装展(パレットギャラリー、東京)

■受賞歴
2022年3月25日
第15回 JCAT GALLERY Award
JCAT Online Exhibition 「The Gift 2021」
 

HATTORIは,砂が持つ独特なテクスチャを絵画制作に活かせないか,試行錯誤を行ってきた。2019年からエルサレムに居住し,パレスチナとイスラエルの砂を使ったミクストメディアでの絵画制作を本格的に開始。この地は世界三大宗教の聖地があり,今日に至るまで様々な人々の想いが長い 歴史の中で積み重なり,染みついていることが感じられる。

 
 
 

レスチナとイスラエルの砂は,サハラ砂漠やアラビア半島の砂漠のように細かく粒の揃ったパウダー状の砂ではなく,粒の大きさが不揃いで,絵画の材料,特に顔料として使用するには,少し扱いづらい面がある。しかし,そのことにより独特な不規則さ,視覚的「ひっかかり」が生まれ,荒々しさと繊細さが同居する独特な絵肌が生まれるようになった。彼の作品は,パレスチナとイスラエルの砂の対話の中で生まれている。

作品に使用される砂は,パレスチナのラマッラやベツレヘム近郊,イスラエル南部の砂漠地帯から採取し,その砂の色味や粒子のサイズ,テクスチャなどの個性に応じて使い分けている。アクリル絵の具用の各種メディウムを利用し,主にキャンバス上に砂を固着させて描いている。砂の色をそのまま使用したり,アクリル絵の具を混ぜて混色したり,砂で出来たテクスチャの上から着色したりする場合もある。

 

の作品は,砂を利用することにより,化石化したような質感,遺跡や遺物,出土品のような佇まいが生まれている。枯れたものの美しさ,朽ちていくことの美しさと共に,風化することにより新たな状況が生まれる様子,風化することによって生まれる希望のようなものを表現することを目指している。人間の社会は様々な問題にあふれているが,時と共に問題が解決していくことを祈って,制作を続けている。